プロが教える!デザインの必要性と役割【デザイン導入お悩みの方に】
デザインって必要?必要ならデザインはどんな役割を果たすの?
今回の記事は、そんな疑問を持つ従業員15名以下の小規模企業さんに向けた内容です。
デザインを導入するかどうかで悩まれている場合は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事で知ることができる内容は、次の通りです。
・ デザインが必要な理由
・ デザインの役割
・ デザイナーがデザインした場合と、しなかった場合の違い
・(おまけ)小さな会社が大手の会社に対抗できる方法とは?
目次
1. デザインの必要性・役割を知る前に必要な知識「2つ」
デザインの必要性・役割を知る前に、2つの価値があることを理解する必要があります。
それは、「情緒的価値」と「機能的価値」といわれるものです。
1. 情緒的価値
商品・サービス、または企業そのものに対して、何を感じるか?
お客様が心で感じるイメージのこと。
例)誠実、おしゃれ、安心、親しみやすい、先進的、伝統的など
2. 機能的価値
商品・サービスの、機能・品質に対する価値のこと。
例)〇〇の機能、大容量、〇〇が高性能など
商品・サービスを販売する過程で、この2つの価値が育っていかなければいけません。
厳しい言い方をすると、この2つの価値が育たない場合は、残念ながら購入してもらえなくなりますし、
デザインで頑張ってアピールしても効果に結びつかないかもしれないということです。
この2つの価値を知った上で、2. 以降を読み続けてみてください。
2. デザインの「必要性」と「役割」を理解すると、大手の会社にも対抗できる!?
答えは「できる」です。
その理由は、1. で説明した、「情緒的価値(イメージ)」を、「デザイン」で表現するとことによって可能になる、というものです。
しかし、言うは易く行うは難し…じゃないの?
もちろんその通りでして、商品サービスで小規模な会社が、大手の会社に対抗するのはとても難しいことです。
それは、資本力・技術力・規模ともにかなわないことが多いのが理由です。
特に機能的価値でもある「機能面や品質面(スペック)」については、
機能が高い、品質が高い、だけでは違いを作ることができない「コモディティ化」も起こっていることが多いのでなおさら厳しいです。
そこで重要になるのが情緒的価値(心で感じるイメージ)なのです。
機能的価値がなければ売れない。これは大前提にはなるのですが、
忘れてはいけないのは、商品・サービスを買う人も「人」であり「感情」があるわけで、
スペックだけじゃなく、
感情に訴えられる「イメージ」の部分で違いを作ることができれば、十分大手の会社にも対抗できるのです。
さらに興味深いこととして、機能的価値が自社と他社で大きな違いがなかった場合、
お客様は情緒的価値(イメージ)で購入先を決める、という事実もわかっています。
3. デザインが必要な理由とは?
ではここから本題です。
2. から情緒的価値(イメージ)が重要なのはおわかりいただけたかと思います。
では、これをどうやってお客様に伝えるかです。
そこで必要になるのが「デザイン」というわけです。
例えば、老舗・伝統的というイメージを、オンリーワンな情緒的価値として伝えたい場合、
お客様の目に触れる場所(タッチポイントといいます)で、そのイメージを正しく感じ取れるように、すべてを統一させ表現する必要があります。
それを実現できるのが「デザイン」です。
デザインの必要性は何か?
それは、
- 情緒的価値(イメージ)を効果的に伝えることができる!
ということなのです。
4. デザインの役割とは?
ここまでで、デザインの必要性がおわかりいただけたかと思います。
では、もう少し広い視野でデザインの役割を考えてみます。
3つあります。
- 1. 正しく、伝わりやすくできる
- 2. 非言語情報を表現できる
- 3. コミュニケーション/共有できる(ブランディングの一部)
では、ひとつずつみていきたいと思います。
1. 正しく、伝わりやすくする
伝えたいことを、より正しく・伝わりやすくできるのがデザインです。
文字だけでなくイメージビジュアルを組み合わせたり、レイアウトで表現したり。
必要な情報を取捨選択し、伝えたい人に「より正しく・より伝わりやすく」できるという役割です。
2. 非言語情報を表現で伝えられる
これはまさに情緒的価値(イメージ)をデザインで伝えるという役割です。
言葉以外で、情報をイメージを通して伝えられるのはデザインならではです。
3. コミュニケーション/共有する
デザインは、コミュニケーションを作る手段の一つです。
ここでいう共有とは、
企業のパーパス(存在意義)やビジョン(将来の目標)をデザインを通して共有するという役割です。
これらはすべて、ブランディングの一部でもあります。
その他、「デザイン思考」や「デザイン経営」など、最近ではデザインの領域認知もぐーんと広がってきました。
5. デザイナーがデザインで気をつけていること
デザインできるものはたくさんありますが、それをデザインするときにデザイナーが特に気にかけているのは、
情緒的価値(イメージ)をすべてのツールで統一感を持って表現することです。
「デザインのルール(トーン&マナーといいます)」を作り、どのように伝わるかを設計してデザインする。
これは私自身とても気をつけている事でもありますし、これをできるのがデザイナーの特徴でもあるのです。
もう一つ特徴があるのですが、
4. の「デザインの3つの役割」を理解し表現できること。
これは特徴であり、デザイナーの役割なのかもしれません。
まとめ
デザインの必要性は、
情緒的価値(イメージ)を効果的に伝えることができるため
デザインの役割は、
1. 正しく、伝わりやすくできる
2. 非言語情報を表現できる
3. コミュニケーション/共有できる(ブランディングの一部)
でした。
特に、3.でお伝えした、情緒的価値の表現はデザインならではで、小規模の会社が大手の会社に対抗するためにもデザインする必要性が高いということです。
デザインをプロに依頼する場合は、どうしても費用が発生してしまいます。
しかし、この情緒的価値をデザインで表現できるようになるには、ある程度現場での実務経験を積む必要があるのも事実です。
デザインを導入するかお悩みの場合は、
そういった観点を持つことも必要となるかもしれません。
まずは、「情緒的価値」を見つけるところからぜひ始めてみてください!
株式会社イットデザイン
伊藤 亜希
グラフィック・ウェブデザイナー
ブランディングデザイナー
デザイナー歴24年目。
大阪から兵庫へUターン就職→起業。
主な受賞歴に、日本タイポグラフィ年鑑入選など。
【営業時間】平日9:30〜18:00
【休業日】土日祝 年末年始、旧盆期間
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